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パースって??

絵画教室こどものアトリエ


   ◇中学生クラス / 美術系進学準備クラス◇


先日の土曜日の夕方からの時間、高校生、大学生の生徒に加え、アトリエ出身の現役美大生も遊びに来て、アトリエはすし詰め状態。
中学生も混ざって堂々とデッサンをしています。
中学生のお向かいで大学生が絵を描いている、アトリエではよくある光景で、お互いに作品や描き方をのぞいています。

現役美大生の話に、後輩たちも興味津々、質問が飛び交います。
「フレスコ画ってなに?」
「テンペラってなに?卵黄とお酢で絵の具をつくるの?」
「にかわ(膠)ってなに?」
膠は、動物の皮革や骨髄から採られる強力な糊。主成分は、コラーゲンという蛋白質の一種。
本来、接着剤としての用途が中心ですが、絵画でも用いられています。

もっと聞きたくなる話ばかりです。




***

「なにかおかしい」

自分のデッサンを見て生徒さんが言います。
台の上に置かれたモチーフが自分側に倒れているように見える。
台に対して水平に置かれていない。
デッサンをしているとこのようなことはしばしば。パースが合っていないのです。
そしてここで例え話です。

「目の前に長い一本道があるとする。自分のいる所から、100m、1km、遠くへ行けば行くほど道の幅が狭まっていくの想像できる?
そういう現象がこのあなたとたった1mも離れていないこの台の上の世界で起こっているの。」




「えーっっ!? うそっ!?」


パースペクティブ(perspective)とは、日本では遠近法、透視図のことをパースと称する事が多いそうです。
三次元の世界を二次元に置き換えるのですから簡単なことじゃないんですよね。
生徒さんのあまりの驚き様に、私も改めてパースの不思議さをしみじみと感じました。